石巻署員の奮闘、克明に 体験談などをまとめ刊行

東日本大震災で最大の被災地となった宮城県の石巻地方で、
住民の避難誘導や行方不明者の捜索活動などに当たった石巻署の
警察官の体験談などをまとめた「警察官の本分」が出版された。

 5章構成で、震災発生から約1カ月間の捜索や遺体の検視、
被災家屋を狙った窃盗事件などを中心に、ドキュメントでつづった。
 第2章は、現場に向かう途中で津波に遭遇しながら救助活動を展開した
刑事1課の係長や、地域が壊滅状態となった東松島市野蒜地区で
地震直後から業務に忙殺された野蒜駐在所の署員ら5人が、被災時の
状況などを証言している。

 震災から9日目、石巻市の倒壊家屋から祖母とともに救出された少年を
発見した地域課の巡査部長は、当時の様子を克明に再現した。
巡査部長は「警察官である以上、仕事から逃げることはできないと
無我夢中だった」と振り返る。

 出版を企画したのは「総和社」(東京)編集部の佐藤春生さん(36)。
内科医の父親(65)は訪問診療の拠点を石巻市内に設け、
石巻署の警察医を務めている。父を通じて、震災から時間が経過しても
署員らが捜索や身元不明者の特定作業を続けていると知り、ノンフィクション作家の
山野肆朗さんとともに昨年3月から取材を進めた。
 佐藤さんは「自らも被災しながら住民のために活動した警察官が震災時、どんな状況に直面して
いたのかを知ってほしい」と話した。

 四六判、204ページ。1500円(税別)。連絡先は総和社03(3235)9381。